snuffkinの遊び場

IT関係、スポーツ、数学等に関することを、気が向いたときに書いてます。

アルマ望遠鏡が観測開始

世界最高の性能を持つ電波望遠鏡ALMAが、いよいよ観測を開始したそうです。と言っても、まだMAX性能での観測は開始しておらず、全66台のアンテナのうち、完成した16台で運用を開始したそうです。
世界最高の電波望遠鏡、観測開始 銀河誕生の謎に迫る

ALMA自体の日本語ページはここにあります。情報豊富。赤方偏移で見ることのできない、宇宙の初期の電波(姿)を観測することができるのが特徴。これで今まで人類が知らなかった事実が発見されると良いですね。

で、最近の大型科学装置の例に漏れず、この天文台もBigDataを生み出します。富士通が作ったシステムを使って処理しているそうですが、毎秒256GBのデータを処理するそうです。1日中このペースで動くとすると、毎日、22PBのデータを処理することになりますね(そういえば、電波望遠鏡って昼間も観測できるんですかね?)。
これだけのBigData処理しているって、日本の技術も凄いですね。今ならHadoopとかStormとか使うんじゃないかな。。。と思ったのですが、標高5000mで動くための工夫があるようで、普通のコンピュータでは動かないかも。「ALMAを支える相関器制御システム」という富士通の資料を見ていると、そんな風に見えます。
ちなみに、ハッブル望遠鏡のデータ量は3-4GB/日だそうです。時代とともに観測データもどんどん増大するんですね。

データマイニング天文学(造語です)

富士通の資料を読んでいたら、天文学の仮想化、という考え方もあって、「仮想天文台のシステム構築」を読むと面白い。世界中の天文データを保持したコンピュータをネットワークでつないでおく。天文データ検索用のクエリ言語を利用することで、保持している天文データを「再観測」する。UDDI等を使ってコンピュータが自動的に処理することで、利用者はデータが格納されている位置を気にする必要がない。
これって、仮想化やクラウドの考え方ですよね。遅くとも2004年にはこんな事を考えていたんですね(その割には、仮想化やクラウドで世界をリードしていないのは残念)。
でもって、それの日本版「JVO(JAPANESE VIRTUAL OBSERVATORY)」が2006年から運用されているそうです。こんな世界があるなんて、知りませんでした。このDBに対してデータマイニングしたら、天文学上の発見ができるかもしれない。もしそうなったら、BigData時代らしい「データマイニング天文学」みたいな新しい分野ができる可能性がありますね。面白そうですね〜。
と思ったら、「ヴァーチャル天文台(VO)とは」という資料を見つけました。分野名が「データマイニング天文学」なのかは書いてありませんが、本当に仮想天文台データマイニングして新しい発見が行われているんですね。仮想天文台が無料でインターネット上公開されたら、コンピュータの力を使って誰でも天文学ができる時代が来るのでは? 期待しています!