ニュートリノが光速を越えるか、確かめる方法
昨日の話の続きです。
自分なりに本当にニュートリノが光速を越えるか確かめる方法はないか、考えてみました。
- 過去の実験で速度を計測しているのでは? KEKBからカミオカンデにニュートリノを飛ばしているのだから、速度を計測していないのかな?
- 超新星爆発の時に放出される光とニュートリノの到達時間の差からニュートリノの速度を算出できるのでは?
という訳で、小柴昌俊さんがノーベル賞を受賞したきっかけとなった1987年観測の超新星爆発について、ひとまず調べてみました。こっちなら、Web検索すれば計算できそう。
Wikipediaによると、16.4万光年離れた、大マゼラン雲の「SN 1987A」という超新星が爆発したそうです。1987年2月23日午前10時30分に可視光を確認。ニュートリノの確認は、2月23日午前7時35分。
あれっ、可視光より先にニュートリノを観測している! 驚いた。これは初めて知りました。物理学ではこのことをどう説明しているのだろう? もしかして、20年以上前に光より速いニュートリノが見つかっていたの?
ただ、これでは何とも言えないですね。見えない光もあるし、爆発によって光を放出するタイミングとニュートリノを放出するタイミングには言及していないし。光もニュートリノも大量に放出するタイミングは一致しそうな気がしますが。
気になるので、可視光とニュートリノが同時に放出されたと仮定して、ニュートリノと可視光の速度の割合を計算してみました。
- 16.4万年は何分か?
- 16.4万年=164,000年=59,901,000日(1年を365.25日で計算)=86,257,440,000分(=862億分)
- 可視光とニュートリノの到達時間の差は?
- 午前7時35分と午前10時30分の差は、2時間55分=175分。
- ニュートリノが可視光より早く到達した割合は?
- 175/86,257,440,000=0.00000000202881=2.02881×10^-9
CERNの論文に記述されている、今回観測した割合は以下の通りです。
(v-c)/c = (2.48 ± 0.28 (stat.) ±0.30 (sys.)) ×10^-5
う〜ん、4桁も合いませんね。
もし、ニュートリノと光の速度の割合が2.48×10^-5だして、ニュートリノが可視光よりどのくらい先に届くかというと、以下のようになります。
- ニュートリノはどのくらい速く届く?
- 2.48×10^-5 × 86,257,440,000分 = 2.48 × 862574.4分 = 2139184.512分 = 35653.0752時間 = 1485.5448日 = 4.0672年
可視光より4年早くニュートリノが来ているはず。ということは、1983年にニュートリノバーストが観測されるはず。今回の結果は、1987年の観測結果と矛盾している気がしますね(あくまでも、可視光とニュートリノが同時に出発した前提ですが)。さすがに、(v-c)/c = 2.48×10^-5 だと、いくらなんでもこれまでの観測で気がつきそうですね。
ということは、これまでに観測できなかった新しい物理現象が絡んでいるか、観測ミスか。。。新しい物理現象であることを期待してます!